年末のごあいさつ。

nicolas、本日12/29(土)で、年内の営業が終了しました。

今年は、本当にたくさんのお客様にご来店いただきました。ありがとうございました。
クリスマスの連休のあたりから、年末のごあいさつに顔を出してくださるお客様もたくさんいらっしゃって、とても嬉しかったです。年末のごあいさつ、っていいですね。おかげでnicolas一同、しあわせな気持ちで年の瀬をむかえることができます。お忙しい中、みなさん本当にありがとうございました。

今年一年お世話になりました。来年も宜しくお願い致します。

新年は、
1/9(水) 18:00~
の営業となります。
宜しくお願い致します。

それでは、よいお年をお迎えください。

何者。

朝井リョウさんの「何者」を読む。

まったく一体、朝井リョウという人は何者なんだ。23歳(ぐらい)の若さで、これが書ける人ってのは、なんだかもう、怖いぐらいにすごい。ひとまわりも年下の若者に、いい歳した大人の虚栄心を見透かされて嘲笑われる、僕たちの羞恥プレイ。朝井リョウさんという人は、「“何者”かになれた観察者」なんだろうな。

「ダサくてカッコ悪い自分を認めてあがくこと」は、カッコ悪くない。
早川義夫さんのように、それを教えてくれる年長者はたくさんいるけど(僕にとっては大槻ケンヂが最初だったと思う)、よもや「まだ社会に出たばっかりの、このヒヨッコが!」という年齢の若者に説教されるとは思わなかった。だから、余計に刺さった。「オッサン、いつまでそんなことやってんの?カッコつけて俯瞰してるのって、すごいカッコ悪いんですけど。」て、言われてるみたい。
水道橋博士の「藝人春秋」でも、甲本ヒロトが、
「『ステージ上で唯一やっちゃいけないことがある。それはカッコつけることだ!』って言われた気がしたんだ!」
と言っていて、何者かになれた人たちでも、やっぱり誰かに「カッコつけることのカッコ悪さ」「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」ということを教えてもらっている。
それでもやっぱり、カッコよくなりたい。「カッコいいなー。いいなー。」って憧れられたりしたい。「何者のしっぽ」を掴みたくて、何者かになれた彼らに憧れるのだから。

僕たちは何者かになれるのだろうか。
若い頃の自分から見れば、自分たちでお店を構えるなんてことは、「何者」そのものだったと思うのだけど、結局自分は自分でしかなくて、何者でもないとしか言いようがない。
「カフェってオシャレ気取りだけど中身はうすっぺらいんでしょ、どうせ。ちゃんと読んだこともないようなビジュアル重視の洋書とか並べてるんでしょ、どうせ。どこそこ産の食材を使ってますとか言ってバイトでも作れるようなスパゲティ出してるんでしょ、どうせ。」
というように見られるのがしゃくで、日々あがいているのだけど、カッコ悪いかな。カッコいいカッコ悪さに見えているのかな。

それが、カッコいいことなのか、カッコ悪いことなのか。その判断基準は、やっぱり重視してしまう。
シンクロナイズドスイミングの選手みたいに、水面下では壮絶なバタ足が続いていようが、水面上では涼しい顔をしていたい。陰でどれだけ努力をしているのか想像すらできないけど、小嶋陽菜のように「えー?なんですかー?」と、しれっとしていたい。こじはるになりたい。
よし、メグたんみたいな魔法使いになろう。ニコラは、みんなをしあわせにする魔法使いなのです。

年末年始のお休みのおしらせ。

みなさん、素敵なクリスマスを過ごされたでしょうか。
nicolasは、明日、
12/26(水)は、
振替でお休みとなります。

さて、年末年始のお休みのおしらせです。

nicolas、年内の最終営業日は12/29(土)です。
12/30(日)~1/8(火)
まで、お休みをいただきます。
年始は、
1/9(水)
18:00~
の営業とさせていただきます。
翌1/10(木)からは通常営業です。

申し訳ありませんが宜しくお願い致します。

東京カフェ散歩 観光と日常。

川口葉子さんの「東京カフェ散歩 観光と日常」(祥伝社)に、nicolasも載せていただきました。

取材を受けたのは5月だったと思います。写真のパフェーが抹茶とグレープフルーツのパフェーなので、5月ですね。パフェーを見れば、そのとき何月だったかがわかる、ってなんだかいいですね。
この取材のときに川口さんに、
「座右の銘はありますか?」
という質問を受け、
「座右の銘なんて決められるほど、まだ達観してないので、直近の映画や本にだいたい影響されています。」
というようなことを答えました。
そして、この取材のあとで僕は、樋口毅宏さんの「日本のセックス」を川口さんにおすすめしています。川口さんの書いてくださった素敵なnicolasの紹介文は、まるで樋口毅宏さんの作品への書評のようです。おそれおおいです。本当に素敵な文章で紹介していただきました。ありがとうございます。

この本は、おそらくカフェが好きな人以外が手に取ることは少ないのではないかと思うのですが、できればカフェが好きな人だけでなく、ふだんあまりカフェに興味がない人にこそ読んで欲しいなと思います。カフェに魅せられている人たちが、なぜカフェに惹かれているのかがとてもよく伝わると思うので。この本にはカフェの情報ではなく、情緒が記されています。愛情のかけらもないような、おおよそ日本語で書かれているのかすらよくわからない飲食店の紹介文(飲食店に限らず、ブックレビューや映画評もですが)にげんなりしている人たちに、この、カフェへの愛と言霊に満ち溢れた本を、ぜひ読んで欲しい。町山智浩さんの映画評のような、「カフェの楽しみ方がわかる」、川口葉子さんのカフェの本です。「そうそう、そうなのよ!」と共感できるだけでなく、「そんな見方もあるの?!」と全く新しい視点を獲得できることうけあいです。

そして実は、この本に、エッセイを寄稿させていただきました。
今はなくなってしまった、とあるカフェに宛ててのラブレターです。
拙い文章ですが、僕が書ける限界のものを詰め込んだつもりでいます。

僕のカフェへの愛と言霊が、ひとりでも多くの人に読んでもらえますように。

おしらせ。

誠に勝手ながら、
12/6(木)は、
18:00~
の営業とさせていただきます。

申し訳ありませんが宜しくお願い致します。

クリスマスケーキ。

nicolas、今年もクリスマスケーキやります。

外はピスタチオとフランボワーズのジョコンド、
中はマスカルポーネチーズを使った苺のショートケーキ、
上にはキャラメリゼしたシュー。
昨年と同様のクリスマスケーキです。

9cm ¥2000
12cm ¥2800
の2サイズです。

加えて、今年はもう一種類、ブッシュ・ド・ノエルもあります。
紅茶のシフォンとキャラメルミルクチョコレートのロールケーキ。
まわりにはヘーゼルナッツ、ピーカンナッツ、ピスタチオ、カカオニブを敷き詰めた、
そんなブッシュ・ド・ノエルです。

ブッシュ・ド・ノエル ¥2500

12/1(土)より、ご予約を承ります。
申し訳ありませんが、お渡し日は限定させていただき、
12/22(土)、23(日)、24(月・祝)、25(火)
の4日間となります。
それほどたくさんはご用意ができません。申し訳ありませんが、売り切れの場合はご容赦下さい。

ご予約、お待ちしております。

※クリスマスケーキは受付を終了させていただきました。
ご予約ありがとうございました。

おしらせ。

「火曜日はぜったいに休む」
が決まりのnicolasでしたが、なんと今年はクリスマスが火曜日でした。
ので、さすがのnicolasも営業します。
加えて、毎年参加させて頂いているイベント、BOY MEETS GIRLもあり、お休みが不規則になります。

nicolasの12月のお休みは、
12/4(火)、11(火)、15(土)、
18(火)、19(水)、26(水)、
30(日)、31(月)
となります。
12/25(火)は営業致します。

なお、12/15(土)はお休みですが、チーズラボさんの教室は開催します。

申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

おしらせ。

nicolasでは、
11/15(木)より、イラストレーターのおかのちかげさんの作品展がはじまります。
http://www.chi-ka-ge.sakura.ne.jp

11/15(木)は、オープニングパーティのため、
14:00~17:00
の営業とさせていただきます。
申し訳ありませんが宜しくお願い致します。

11月いっぱいの展示になります。
ほっこりとしたイラストたちをみにきて下さいね。
カフェオレやミルクティにぴったりだと思いますよ。
ぜひ。

空洞だった胸がいっぱいになる。

伊藤理佐さんの「おいピータン‼」がとにかく大好きなのですが、11/10号「Kiss」での「おいピータン‼」がほんとに、よかった。

話としては、駅前にある焼き鳥屋さんの閉店を、大森さんと渡辺さんが残念がる、という、まあ、一言でいってしまえばよくある話なのですが。大事だったお店がなくなってしまう、という話は、ほんとに沁みる。僕には下北沢に好きなカフェが2つあったのですが、2つとも、もうありません。西口のチクテカフェと、一番街のカフェ・オーディネール。
ピータンでは最後、件の焼き鳥屋さんと思しきお店が登場しているDVDを観て懐かしむのですが、チクテカフェは、果たして映像が残っているのかどうかわかりません。でも、オーディネールは確か、山田英治監督「春眠り世田谷」に登場していたはず。2階のあのソファーの席が出ていたはず。今度観てみよう。

園子温監督が「希望の国」を撮ったときに、
「“情報”を記録するのではなく、“情緒”を描きたかった」
と言っていました。
情報を記録するのではなく、情緒を。それが芸術の役割だと。
そう、僕たちは、大切なことを、たとえば好きだったお店のことを、情報として記録してなんていない。そこでのなんでもない、特に意味もないような情景、雨の日の他愛のないおしゃべりや、夕方に本を読みながらカフェオレとスコーンを食べたことだとかを、情緒として記憶している。僕には情緒を描く才能はどうもなさそうなので、頑張って記憶しておくしかない。忘れないように。

あ、園子温監督といえば、「愛のむきだし」のエンディングテーマ、ゆらゆら帝国の「空洞です」が僕はとても大好きで、映画館を出たその足で、「空洞です」が収録されているアルバムを買いにいったことを憶えています。「Hemisphere vol.2」にも書きましたが。
「空洞です」の2番の歌詞(今の歌も、1番、2番て数えるのかな?)はざっくり言うと、
「意味を求めるあまり無意味なものがなくて、町には甘いムードがないよ、ムードがいちばん大事なのに」って感じなのですが、この「本来無意味な存在であるムード」こそがまさに、カフェ。
そもそもカフェなんてものは、本当に無意味なものです。なくてもいいもの。でも、その「なくてもいいもの」が町にあれば、甘いムードが出るんです。カフェには、情報として記録されるような意味なんてないから、情緒として記憶しておかないと、あの頃の町のムードなんて、みんな忘れちゃうね。僕らのことも忘れちゃうね。

みんなに忘れられてしまうのはとても寂しいので、nicolasがなくなる前に(いや、そんなすぐにはなくならないよ。たぶん。)誰かnicolasを映像に残してください。映画のワンシーンのような映像を、情緒として描いてください。
それは、たとえばこんなのがいいな。黒にピンクの花模様の洋服を着た女性が、今日まさに彼と別れるところで、彼のほうは「ねえ、最後にあの店にもう一度だけ行こうよ。で、何もなかったみたいに秘密の話でもしようよ」なんて言ってるのですが、彼女は「もうアンタの顔も見たくないし、そんなセンチメンタルな女々しいこと言ってんじゃねえよ。これだから男は!」とうんざりしている、ってシーンがいいです。

でも、やっぱり、ベタだけど、
「記録よりも記憶に残る」店、
ってのがいいかもしれない。

これから先も、みなさんにたくさん記憶する猶予を与えていくことができたらいいな、と思っていますので、よろしくお願いします。それはそれは憶えきれないぐらい、たくさん。

たましいの場所。

早川義夫「たましいの場所」を読む。
ここ数か月の間で、早川義夫さんの名前を2回、目にした。僕が「好きだな」と思う言葉を使っている人が、早川義夫さんのことを書いていた。きっとこれはご縁があるに違いないと思って、さっそく。

読んでみて、全然「さっそく」ではなかったことがわかった。なんで今までこれを読んでいなかったのか。あまりにも遅すぎて恥ずかしくなるくらい。
好きなカフェの名前が出てきた。ディモンシュとミルクホール。使われている固有名詞は、作家さんと自分をつないでくれる、というか、つながった気にさせてくれるからうれしい。図々しいのだけど。
なんでこんなに読みやすいのだろうと、ちょっと考えてみたら、文体がとても好きだからだとすぐにわかった。あの人の文体に似ている。あ、でも、きっと、というか絶対にあの人も、早川義夫さんの文体が好きに決まってるから、自然とそうなっているんだろうな、なんて思ったり。
個人的には、小沢くんの文体も似ていると思った。声に出して朗読してみたら余計にしっくりきた。きっと、声に出すことを前提に言葉を扱っているからにちがいない。歌う人はきっとそうなんだ。

今、まだ、半分ぐらいしか読んでいない。
でも、今日はここでやめておこう。
ちょっと、とっておきたい。そんな気持ち。