2020.4.9

同業の友人・知人の心配を毎日している。
知り合いのミュージシャンや、映画館のことを心配している。
理由ははっきりしていて、そうしていないと自分が狂うからだ。
ニュースは毎日チェックしている。
ニュースをみて、一人で失笑したあと涙が出る。
意を決して買い出しにでると、街の人たちはなんだか楽観的にみえる。いつも通りだ。
アルコールスプレーのしすぎで、手が荒れてきた。
直接顔に噴射したりもして、ちょっと酔っぱらう。
それで、少しのぼせてきて、「まさか!熱出てきたかも?」と心配になったりしている。
あほみたいだ。

こないだ店に顔を出してくれた友人は、力なく笑い、目は虚ろだった。
別の知人に電話をかけたら、店を畳むことを考えていると話してくれた。
一緒になんとか生き残ろう!と言ったあと、
感情がぐちゃぐちゃになった。

「そうは言っても二コラはだいじょうぶでしょ」
そう言ってくれる人がいる。だからそう思ってくれてる人もいるだろう。
オレとゆかさんのやせがまんの芝居を侮ってはいけない。
バレてないならこちらの思惑通りだ。

もしも、万が一のことを考えて、世話になった人や常連のお客さんに、
ひとこと感謝の言葉でも書いておこう、なんて考えてしまって、
あ、これは遺書ってやつだ、いけないいけない、と思いとどまった。

自分の店だけ生き残ろうなんてことができない。
自分の命だけ生き残ろうなんてことができない。
店を開けてもお客さんはほとんど来ない。
でも開けないと、店の家賃も家の家賃も払えなくなる。
どうする?
もし病に侵されたら、死ぬかもしれない。
死ななくても、誰かを死なせてしまうかもしれない。
誰も死ななくても、噂によって社会的に死ぬかもしれない。
そのまえにメンタルが死ぬかもしれない。

そんな葛藤の中で、焼石に水をかけ続けることを選択した
多くの飲食店のことを思う。死ぬ気で焼石に水をかけてる多くの人のことを思う。
繰り返しになるけど、そこに自分は含めない。狂ってしまうから。

お金は必要だけど、オレより必要な人が必ずいるはずだ。
そっちへ回してくれオレは自分でなんとかする。
ずっとそんなやせがまんをしてきた。

最後までバレなければいいな、と思っている。