「2011年5月のある一日を食べる」

5/19(土)に「2011年5月のある一日を食べる」
というイベントがあります。

今回小桧山さんとご一緒できてとてもうれしく思っています。
それは、小桧山さんの料理(料理というか、食へのアプローチ)が、
とても身体的で、これはかなわない、と思っていたからです。

nicolasは、お店です。お店というのはいろいろあるように見えますが、
どのお店でも、そもそものフォーマットは決まっているんです。
その前提をお客さんと共有した上で、どこまで逸脱できるのか、
というようなことはいつも考えています。

普段、nicolasと山フーズは、お互いに違うことをしています。
それでも共通していると思っているのは
「食べるってどういうこと?」
ということだと思っています。
おいしい、ということはほんとにほんとの大前提として、
おいしいより、おいしいと同じくらい、
大切ななにかがそこにあるんじゃないか。
生命の危機を感じて、生きるために食べる、
というような根源的な“食べる”は、今の時代では
なかなか感じることは難しいと思います(考えることはもちろんできます)。

小桧山さんは、音楽家の林正樹さんと
「山林」という音楽と食のユニットも組まれています。
聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚、
それぞれの間に位置するような感覚、どれでもない感覚。
今回のnicolasでの企画は、
記憶と食、とでも言うような実験だと思っています。
ごくごく個人的な体験でしかない“食べる”ということを、
誰かと共有するためのもの、個人的な体験同士をつなげるためのもの、
あるいは、どこまでも個人的なものとして深く底へ潜るためのものとして。

土地と自然もあり、文化と歴史もあり、
ノスタルジーと革新もあり、娯楽とコミュニケーションもある。
空腹を満たしておなかがいっぱいになっても、
心が空いてしまうようなときもある。

食べるってなんだろう。
お店なんかやっていると、料理を作るということが、
仕事、になってしまっているので、
気をつけないとどんどん麻痺していくんです、そういう感覚が。
食べることが、お勉強になってしまっていることも多々あります。
(それはそれでもちろん必要ですが。)

心の中から湧き上がる「おいしい」には、
記憶と体験がリンクすると思います。きっとたぶん。
そのとき食材は、料理は、
味覚をはじめとする五感の要素として存在しているというよりは、
記憶のトリガーとして存在しているのかもしれません。

「2011年5月のある一日を食べる」、
どうなるのかわかりませんが、とても楽しみにしています。
ぜひお越しください。

山フーズ×nicolas『時の雨』

山フーズ×nicolas『時の雨』

山フーズ×nicolas『時の雨』

nicolasは2018年5月1日で7周年を迎えます。
5/2~5/31までの1ヶ月、
nicolasとほぼ同じ時期に活動を始めた山フーズさんと
(企画のignition gallery熊谷充紘さんも同期です)
イベントを開催します。
・山フーズとnicolasの、7年間の具体的なある一日のレシピの展示
・5/19(土)には「2011年5月のある一日を食べる」というイベント
・5/12(土)5/31(木)には山&ニコ
(山フーズさんが通常営業のnicolasの厨房に入り、料理を作ります)
・山フーズによる『時の雨』の販売
と、様々なことをします。
ぜひお越しください。

この7年間、みなさんにはどんなことがありましたか?

山フーズ×nicolas「時の雨」

開催日程:2018年5月2日(水)〜5月31日(木)

場所:nicolas(世田谷区太子堂4-28-10鈴木ビル2F)

営業時間:16時〜24時

定休日:火曜日、第四水曜日

電話:03-6804-0425

イベント:2018年5月19日(土)「2011年5月のある一日を食べる」

山&ニコ:2018年5月12日(土)&31日(木)

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三軒茶屋にあるカフェ・nicolasは2011年5月1日にオープンしました。

同じ年、4月に、小桧山聡子は食とそのまわりを提案する・山フーズとして活動を始めました。

それから7年。7年間という時間は同じですが、7年という時の流れ方はnicolasと山フーズで、それぞれ異なります。それは、他の誰にとっても同じ。ひとりひとり、異なる時間を同じ7年間に過ごしてきました。

今回、7年間の具体的なある一日、一日を思い浮かべて、nicolasと山フーズがレシピを作り、展示し、メニューとして提供します。

たとえば、nicolasによる2011年5月1日のレシピを見たとき、その日付にあなたは何を思うでしょうか。

具体的なある日付は、あなたの記憶に降る一滴の雨のようなものかもしれません。時の雨が記憶に波紋を広げ、いまを生きながら、あの時が霧のように立ち上がっていく。

たとえば、nicolasによる2017年4月5日のレシピを見て、山フーズがその日付を思い浮かべてレシピをアレンジした時、それぞれの日付が重なります。そのメニューを食べたとき、あなたは何を思うでしょうか。

生きることは、時間を食べていると言えるのかもしれません。味わうということは、自分の中にある時間と対話しているということなのかもしれません。

山フーズとnicolasによる7年間の時の雨を浴びに、ぜひ5月のnicolasへ。

山フーズによる時の雨の販売もいたします。

イベント:「2011年5月のある一日を食べる」

日程:2018年5月19日(土)

【マチネ】開場:13時30分 開演:14時 終演:16時頃

【ソワレ】開場:18時30分 開演:19時 終演:21時頃

料金:3500円(2011年5月のある一日の一皿&そのレシピ、ドリンク、山フーズの時の雨、nicolasのnicome vol.3付き)

定員:各回14名さま

あなたの2011年5月のある一日の思い出を聴かせてください。それを元に、山フーズとnicolasが、それぞれの思い出を積み重ね、一皿を完成させます。完成した一皿はその場でお召し上がり頂き、その一皿のレシピをお持ち帰り頂けます。

ご予約:下記メールアドレスに必要事項を明記しメールをお送りください。

ignition.gallery@gmail.com

件名「2011年5月のある一日を食べる」

1.お名前(ふりがな)

2.当日のご連絡先


3.ご予約人数

4.ご希望の回。マチネかソワレをお伝えください。

* ご予約申し込みメール受信後、数日以内に受付確認のメールをお送り致します。
*メール受信設定などでドメイン指定をされている方は、ご確認をお願い致します。
*当日無断キャンセルの方にはキャンセル料を頂戴しております。定員に達し次第、受付終了となります。

山&ニコ

日程:2018年5月12日(土)&31日(木)

山&ニコとは、山フーズが通常営業のnicolasの厨房に入って料理を作る日のこと。山フーズがnicolasのある日付のレシピをアレンジし、通常メニューの一つとしてオーダー頂けます。数が限られているのでご予約がオススメ。オーダーできる時間帯は18〜23時で、売り切れ次第終了となります。

山フーズ(yama foods)

主宰:小桧山聡子

1980年東京生まれ 多摩美術大学卒業。
素材としての勢い、料理としての勢い、美味しさ、を大切にしながら”食べる”をカラダ全部で体感できるような仕掛けのあるケータリングやイベント企画、ワークショップ、レシピ提供、撮影コーディネートなど多様な角度から「食とそのまわり」の提案を行い活動している。

2011年Food×Artをテーマにリニューアルした神宮前にあるギャラリーROCKETの立ち上げから約3年間コック長として各種イベントやケータリングを担当。平行して山フーズとしての活動も行う。

東京都美術館、東京都庭園美術館、DNPルーブル美術館ほか、様々なアート、ファッション関連のイベント、企業等のレセプションでケータリングを担当。空間演出も含めた食の提供を得意とし、数多くの現場を手がける。カルビー、サントリー等の広告媒体、ファッションブランドのカタログなど、食を用いた広告撮影の仕事も多数。美術的なセンスと技術も生かして、既存のフードコーディネートの枠を超えた提案を目指している。その他、こどもと食のワークショップ、イベントの企画、レシピ提供など、多岐に渡って活動。

宣伝美術:横山雄

写真:三田村亮

企画:熊谷充紘(ignition gallery)

食にまつわる考察と、そこからの解放

食材が育てられ料理人の手に渡るまでの、そこの過程に潜る人がいて、その人は大地、プリミティブ、そういったものを提示する。あるいは食材が料理人からお客さんの前に運ばれるまでの過程に潜る人がいて、その人は伝統に新しい技術を加えていく。神様の自然と、人の文化。
レシピをつくるまでの過程、それは文学的な思考と、数学的な設計図の作成。レシピを具現化する過程、それはスポーツのような反復による上達と、宗教的な敬虔さと、科学実験を併せ持ったもの。どこかに軸足を決めて、ひとつの過程に深く潜ってしまうと、他の部分が見えなくなってしまう。どれひとつ欠かすことの出来ない過程のような気がしている。

「うまい」にどんどん興味がなくなっていく。なぜなら、きわめて個人的な体験から構築された味覚というものは比べようがなく、100m走のタイムのような絶対的優勝者を出せない。どの「うまい」も、想像力で物語を補えば、うまい。優劣はない。想像力の欠如からくる「うまくない」もあるし、思考停止による「(何を食っても)うまい」もある。メディアで共有された物語もあるし、どこまでも個人的な物語もある。「うまい」は、言葉に、思考に、頼りすぎている。「きれい」に至っては、言葉と思考を放棄しすぎている。

とある本に書かれていた、
「男性の身体は透明で、日常的に身体をほとんど意識していない」
という言葉のせいにもしたくなるほど、身体性が足りないと感じてくる。伝統というある種の絶対的正義と、見映えのいい小手先から逃れようとしたときに、身体性のなさを突きつけられる。十何年もやってりゃ誰でもそれなりに上達はする。知識も増えていく。でもそういうことではない。上達して知識が増えていくということ自体が、食の本質から遠ざかる行為のように感じてしまうことがある。

食の本質は身体性だと、どこかで信じているのかもしれない。
情報ではないものを受け取る器、身体性。

もしかすると、「食べる」ということに、そこまで強い思いがなくなったのかもしれない。何をつくるか、何を食べるか、というのは、今の自分にとっては建前なのかもしれない。ならば本音はなにかと考えると、「食べる」ということを通しての、人との対話(それにはもちろん、一言も言葉を交わさない、なんなら一度も目も合わない、無言の交わりも含まれる)、に、惹かれている。

さて、今日は寒いし、蕎麦が食べたいから蕎麦を食べにいこう。
もう蕎麦心になってしまったから、今日は絶対に蕎麦。

気持ちいい春の夜

気持ちいい春の夜

かつて
同じ土地に住みながら
あなたと私は身分が違う
ということを明確にするためのものとして
食べ物はあった
そんなにむかしのことではないと思う

(家庭料理は記されない)

神格化された家庭料理
あなたは誰ですか

気持ちいい春の夜
行列のできているお店に
あんまり入りたいとは思わないんだ
だから自分のお店も
行列ができないお店にしたいな
そんなにおかしなことは言ってないと思う

アイドルのチェキ会みたいに
お店はどんどんフィクションになっていく
世の中のほとんどはフィクションだけど
食べることは
フィクションにならないといいな

気持ちいい春の夜
高尚な伝統料理は記される
そんなにむかしのことでもないと思う

正しすぎて気持ち悪い
神さまにならないように気をつけないと
そんなにおかしなことは言ってないと思う

ミロコマチコ×nicolas「まっくらやみのまっくろカフェ」

ミロコマチコ×nicolas「まっくらやみのまっくろカフェ」

期間:2017年12月12日(火)〜2018年1月12日(金)
場所:nicolas(世田谷区太子堂4-28-10鈴木ビル2F)
営業時間:16時〜24時
定休日:火曜日、第三水曜日
電話:03-6804-0425
オープニングイベント:2017年12月12日(火)「描く、食べる、踊る、まっくろ」

*展示を観るだけの方も歓迎致します。席に着かれる場合は、ワンオーダーをお願い致します。あらかじめ料理やデザートをご希望の方は、事前にnicolasへ席のご予約をお願い致します。臨時の営業時間の変更などは、nicolasのtwitterやblogをご確認ください。

ミロコマチコの絵本『まっくらやみのまっくろ』(小学館)を読んで、大げさかもしれませんが、生まれ直したような気持ちになりました。

まっくらやみのまっくろは、自分が何者かわかりません。でも体の奥から力がみなぎってくる。「ぎゅわーん」。いきなり角が生えてきた!「そうか、ぼくはサイなのか。すごく誇らしい気分だ。」しかしまだまだ変化は止まらない。

まっくらは、見えないだけで、そこには何かがある。
まっくろは、色々な色がごちゃ混ぜになって生まれた色なのかもしれない。

12月12日から1月12日まで、nicolasが「まっくらやみのまっくろカフェ」になります。
期間中、まっくろの料理やデザートなどがメニューに並びます。

普段、食べ物は食べると消えてしまっているようだけれど、実は見えない体の中を巡ってエネルギーになっている。まっくらには、命が蠢いている。

カフェのオープニングは、nicolasが用意したまっくろの食材を使って、ミロコマチコがまっくろを描き、でき上がったまっくろを皆で食べます。
描かれていくまっくろが自分の体内にもある。体内でも踊っている。

期間中、まっくろを育てていきます(勝手に育っていくだけかもしれませんし、もしかしたら育たないかもしれません)。
2017年と2018年では、何かしら変化があると思うので、まっくろの成長を見に、ぜひ何度かお越しください。

ミロコマチコのまっくろドローイングの展示もします。
絵本「まっくらやみのまっくろ」をご購入の方には、ミロコマチコが選んだ“種”をプレゼントします。

まっくらは怖いけれど、手を伸ばしてみると、いろんなエネルギーに満ちている。まっくろはいろんな色からできていて、いろんなまっくろがある。
まっくろは、何色にもなれる。何にでもなれる。
そのまっくろは、自分の中にもある。

オープニングイベント「描く、食べる、踊る、まっくろ」
日程:2017年12月12日(火)
開場:19時 開演:19時30分
料金:3900円(まっくろ料理、デザート、1ドリンク付き)
定員:18名さま
nicolasのまっくろ前菜とまっくろメインを食べたあと、nicolasが用意したまっくろ食材を使って、ミロコマチコがまっくろデザートを描き、皆でまっくろを食べます。

ご予約:下記メールアドレスに必要事項を明記しメールをお送りください。
ignition.gallery@gmail.com
件名「描く、食べる、踊る、まっくろ」

1.お名前(ふりがな)

2.当日のご連絡先

3.ご予約人数

*ご予約申し込みメール受信後、数日以内に受付確認のメールをお送り致します。
*メール受信設定などでドメイン指定をされている方は、ご確認をお願い致します。
*当日無断キャンセルの方にはキャンセル料を頂戴しております。定員に達し次第、受付終了いたします。

プロフィール:

ミロコマチコ

画家・絵本作家。1981年大阪府生まれ。2003年、京都精華大学人文学部人文学科卒業。2006年アートスクール梅田(現アートスクール大阪)絵本コース卒業。2005年より各地で個展を開催。2012年『オオカミがとぶひ』で絵本作家デビュー。以降、作・絵を手掛けた絵本は、4作連続して主要な絵本賞を受賞。近年はメルボルン、ヘルシンキ、イギリス等でも個展が開かれている。NHK Eテレ「コレナンデ商会」ではセットや歌の絵などを担当している。

企画:熊谷充紘(ignition gallery)

料理歳時記。

アアルトコーヒーの庄野さんが
Hemisphereのweb版をはじめました。
http://www.hemisphere.world/
庄野さんが定期的に出していた小冊子Hemisphere、そのweb版です。
これがどういうものか、
庄野さんのブログへのリンクを貼ろうかとも思いましたが、
まるっと転載します。以下。

『Hemisphere webはじめました。

表記の通りです。
こっそりはじめました。
世界を変えるためにはじめたHemisphere、より自由に、より依存しないものにするために
あえて、今頃、ブログという形ではじめることにしました。

スポンサーもなく、課金もなく、なんのしがらみもない場所であること。
そうでなければ出来ないこと、自身の奥をのぞき込むような場所。
そんな場所でありたいと思っています。
参加したい!って人がいましたらご連絡ください。
テーマもなく、締切もなく、たった一つだけを遵守していただきます。
それは、カッコいいということを忘れない、それだけです。
カッコわるいことはやっぱりカッコわるい、そう思えるようになりました。
何周もしてやっとスタート地点に立ちました。
どうなっていくか楽しみです。
たまに覗いてみてください。
庄野あいかわらず青臭いことやってんな~ってニヤリとすることになるでしょう。
それはもう、こっちに来てるってことなので。
そんなこんなで、よろしくお願いします。』

というのがHemisphere、のweb版です。
Hemisphereにも書かせていただいていましたが、
こちらにも書かせていただけることになりました。
nicolasの料理担当・曽根です。
よろしくおねがいします。

料理歳時記を書こうと思います。
中公文庫から出ている辰巳浜子さんの「料理歳時記」、
読んだことありますか。
とてもいいのでぜひ読んでみてください。
この料理歳時記の、2017年版を書こうと思います。
どのくらいの頻度になるかわかりませんが、
季節ごとに、食材のことを書いていこうと思います。
第1回は「蕗の薹」を書きました。
読んでみてください。

あと、2回目以降は、
ささきゆたかくんが挿絵イラストを描いてくださいます。
http://sasakiyutaka.com/
(1回目にも近々挿絵がつきます)
そちらもおたのしみに。

よろしくお願いします。

14gでnicolasの焼き菓子が買えます。

徳島の14g(アアルトコーヒー庄野さんのお店です)で、
nicolasの焼き菓子の販売をしていただけることになりました。
https://ja-jp.facebook.com/14g.jp/

不定期での販売になるかと思いますが、
お近くの方、ぜひお買い求めください。

今回の焼き菓子は2種類。
■バニラ・キプフェル(クッキー)
バニラの香りのお砂糖をまぶした、
ホロホロした生地のクッキーです。
(キプフェルは三日月の意味です。)

■ショコラーデ
チョコレート・シナモン・ナッツ・木苺の
スパイシーな焼き菓子です。

よろしくお願いいたします。

我が師。

誰に教わるか、というのは、とても大事だと思う。

レシピなんて今、世の中にあふれてる。
技術は、日々の積み重ねだ。
10年やれば、オレでもこのぐらいできるようになる。
生き様?
オレの人生、失敗ばっかりだ。
料理人なんて、肉体労働者だ。
お前の料理は、なんだ?
オレはお前に何も教えてねえよ。
オレが、そんないい言葉、言ったのか?覚えてねえな。

師匠に教わったのは、そういうことだった。

20代の半ば、まかないで食べた師匠のパスタの衝撃は、
今でも更新されていない。

おそろしいほどナイーブで、
すぐくよくよして、
音楽が好きで、
酒が好きで、
いつも酒に呑まれていて、
でも厨房に立つと、
魂を削るように料理を作る人だった。

夢をあきらめたことがある人だった。
いつでも、弱くて、もがいてるやつの味方だった。

シェフ、あんたの料理が食いたいよ。

布博 in 東京 vol.6

3/5(土)、3/6(日)の2日間、
東京オーヴァル京王閣で開催される布博に、nicolasも出店します。
nicolasは、スープと焼き菓子を出す予定です。
詳細はこちら→http://textilefabrics.jp/201603tokyo/

3/5(土)、3/6(日)は
通常営業はお休みをいただきます。
申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

伊藤亜紗&難波創太『会話で食べる=会食』

http://ignitiongallery.tumblr.com/post/121064476727/at-nicolas

“「見えない」ことは欠陥ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること”
伊藤亜紗さんのご著書「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(光文社新書)は、目の見えない人の「見方」に迫りながら、「見る」ことそのものを問い直します。
視覚抜きのバランスで世界を感じた時、見える人は見えない人に変身し、世界の意味が違ってくる。
この本を読んで特に興味を覚えたのが、「ソーシャル・ビュー」。作品をみんなで見ること、コミュニケーションを通して見る方法です。
今回の「会話で食べる=会食」は、この「ソーシャル・ビュー」を食に応用し、あらためて食べることの意味を体感することが目的です。
——
目の見える人が見えない人に、テーブルに並べられた料理について、見えているものと見えていないものを言葉で伝えてもらいます。「見えているもの」とは、大きさとか色とか食材とか、「見えていないもの」とは、印象や思い出した経験といった主観とか。
会場であり今回の料理を担当してもらうカフェ「nicolas」には、今回ちょっと変わった料理を作ってもらおうと思うので、目の見える人にとっても、言葉にして説明するのが難しいかもしれません。その時、目の見える見えないの関係が揺れ動き、お互いの会話によって食べること=会食を楽しむことができるのではと思います。
「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」にも関わられている全盲の難波創太さんをナビゲーターに、「目の見えない人は世界をどう見ているのか」の著者・伊藤亜紗さんをファシリテーターに、一つテーブルを囲んで晩餐を共に。

日時:2015年7月5日(日)
オープン18時30分 スタート19時 クローズ21時
会場:nicolas(東京都世田谷区太子堂4-28-10 鈴木ビル2F)
料金:3200円(nicolasの前菜+メイン+デザート+1ドリンク付き)
ファシリテーター:伊藤亜紗
ナビゲーター:難波創太
定員:先着16名さま(見える人・見えない人にかかわらず募集致します)

*定員に達したため、以降キャンセル待ちの受付となります!

予約:ignition.gallery@gmail.com
件名を「会話で食べる=会食」として、
1. お名前(ふりがな)
2. 当日のご連絡先
3. ご予約人数
4. 視覚障害の有無
を明記の上、メールをお送りください。
*メールの受信設定をご確認ください。
*当日無断キャンセルの方にはキャンセル料を頂戴致します。

プロフィール:
伊藤亜紗(いとう・あさ)
1979年生。美学者。専門は身体論、現代アート。東京工業大学准教授。障害のある人といっしょにアートや身体について考える活動をするかたわら、作品の制作にもたずさわっている。

難波創太(なんば・そうた)
1968年生まれ。1995年武蔵野美術大学工芸工業デザイン科卒業。3DCGデザイナーとしてゲーム・映像制作の仕事に関わる。2007年バイク事故で失明、全盲となる。現在、三軒茶屋で鍼灸・指圧・薬膳の店を営む傍ら、視覚を使わないスポーツやアートイベント、ワークショップなどで幅広く活動している。

企画:熊谷充紘(ignition gallery)