10年前の僕らは胸を痛めて。
チクテに立ち寄る。
ここには、nicolasの青春と初期衝動があります。
nicolas、誠に勝手ながら5/9(月)、5/10(火)と連休をいただきます。
なお、5/11(水)は15時からの営業となります。
よろしくお願いします。
2011/05/09 04:15 | Category:nicolas
ちっちゃい子供の接客に何が不可欠かと問われれば、ワンピースである。
ちっちゃい子供はケーキにはしゃぐも、すぐ飽きてしまう。「最近ピンクがマイブーム」の男の子はベリーのマカロンがよっぽどツボだったらしく、3歳児にして「マカロン」というフランス伝統菓子の名前を一発で覚えていた。将来が楽しみ。でも飽きてしまう。
そこで、最重要話題はワンピース。麦わらのルフィのことを話せば大概の子は「じゃあ、ワンピースクイズ!」となる。
しかしながら、ワンピース知識にとても乏しい。これではいけない。ワンピースクイズに答えられないと、結局子供は飽きてしまう。「なんだおまえこんなこともしらねえのかよ」という顔になる。
「カヌレというのは云々~」だとか「これはヴェネトの郷土料理で云々~」というようなことだけでなく、「ゴムゴムの実というのは云々~」という知識も必要!時間を作ってワンピースを読まねばならない、これは。
「おにいちゃん、サンジみたいでかっこいいだろ?」と聞いてみるも、
「えー、サンジかっこわるいじゃん」と返され撃沈。
ちっちゃい子にはまだサンジの良さがわからないらしい。
少年、きみももう少ししたら、サンジの良さがわかるようになるよ。
店のスピーカーが繋がったので、とりあえず陽水をかけてみたら感動的な
「飾りじゃないのよ涙はハッハー」。
しかし、他の二人に不評ですぐにアンリ・サルバドールに変えられる。
ちょっとこっそり筋肉少女帯をかけたい。
2011/04/28 01:31 | Category:Music
nicolas、コーヒーは徳島市アアルトコーヒーの豆、紅茶は宇都宮市Y’s teaの紅茶をつかわせていただこうと思ってます。アアルトの庄野さん、ワイズの根本さんともに、コーヒー紅茶をおいしく淹れる秘訣は「笑顔」とおっしゃってました。高い知識、技術、志がしっかり土台としてある方々にとっては、こういったある種の精神論は、意外とおろそかにできない重要ポイントなんだと思います。
当然これは、コーヒー紅茶に限ったことじゃないのだろうな、と。
にこにこしながらおいしい料理、おいしいケーキを作ろうと誓った次第です。
とその前に、まずは笑顔で開店準備に勤しみます。なんて高きハードル。
美術作家の永井宏さんが亡くなられたそうです。
永井さんの存在を知ったのは10年ほど前、僕は当時ケーキ屋で働いていて、世の中はカフェブーム真っ只中でした。永井宏さんの「海を眺めていた犬」を読んでディモンシュの堀内さんがカフェを始めようと思った、という文章をどこかで読んだのがきっかけで、さっそく永井さんの本を購入。件の話は「マーガレット・ティールーム」という短編で、“ねえ、君、そんな店やれよ。”という一文にきゅんとなりました。
その後、永井さんのワークショップにも顔を出してみたり。永井さんのような大人に憧れてたんだと思います。おしゃれ版中島らも、みたいな感じ。ちょっと違うかな。
「下手くそでもいいから、自分の言葉で自己表現したらいいよ」
という言葉が印象に残っています。
マーガレット・ティールームではありませんが、僕らも、僕らの店、やります。
ご冥福をお祈りいたします。
渋谷のシネセゾンが今日で閉館。
本当にたくさんの映画をここで観た。ありがとうシネセゾン。夕方の回を観終わって外に出ると、本来の夜の顔に変化してる道玄坂の感じ、映画館で観た映画はその前後のシチュエーションまで意外と覚えてたりするものですね。
夢破れて田舎に帰る友人に「帰る前にアイデン&ティティ、ぜひ観て!」と薦めるも「あの映画、あんまり好きじゃなかった」と言われたこととか、劇場係員が「人のセックスを笑うなの劇場はこちらです!人のセックス!セックスの劇場は!」と公衆の面前でセックス連呼事件とか。
シネマアートン下北沢、恵比寿ガーデンシネマが休館して、気付けばシネマライズもスクリーンひとつになっちゃっているし。どうして「〜the Movie」系しか興行成績がよくないんだろう。
今年の初め、常連のお客さんと映画の話をしているときにガーデン休館の話を聞いた。「これからウディ・アレンの映画はどこで上映するんだ!」なんていいながら、思い出話に花を咲かせる。
喫茶店なんかがいちばんわかりやすいのだけど、「閉店します」なんて話を聞いて「なぜあんな素敵な店が閉店してしまうんだ!世の中ファストフードやチェーン店ばっかり、嘆かわしい!世の中バカばっかりだ!」と憤慨してみるものの、結局自分もしばらくその店に足を運んでいなかったことに気付き、「せめて最後に・・・」と懐かしむことぐらいしか出来ていないことにがっかりしたりする。お店の方の「そんなに思ってくれてるなら、じゃあなんであんたたち来てくれなかったのよ?」なんて心の声が聞こえてくるようで胸が痛い。フラれ間際に「そんなに好きだったら、なんでもっと優しくしてくれなかったのよ!もう遅いのよ!」と彼女に叱責されている気持ちですね、これは。
案の定、僕もその常連のお客さんも、ガーデンにはあまり行かなく(行けなく)なってしまっていて、「僕らみたいな、自称映画好き、がそういう劇場行かなくなったらいけない。閉館のときに胸を張って寂しがれるようじゃないといけませんね。僕らが劇場を支えていかないと!」なんてご大層なところに話は落ち着いた。
僕の古巣の映画館もだいじょうぶかしら?なんて思っていたのだけど、「英国王のスピーチ」が上々の滑り出しのような雰囲気なのでよかったよかった。
時間つくって映画観にいこう。もっと優しくしておこう。