きっと、ちょっと前は、
現実からの逃げ場として、ネットがあった。
ネットへ逃げてきた人が多すぎて、
ネットの居心地がよくなくなってきたのかな。
世の中はきっとすごくよくはならないし、
しあわせなふりをするのにも疲れてきた。
音楽や小説は、
今でも変わらず寄り添ってくれている。
ネットの居心地が悪くなったら、
現実にも居場所はいくらでもあるんだよ。
匿名の人として、
誰かとコミュニケーションをとれる場所は、
現実でもあるんだよ。
飲み屋とか、スナックとか、
あと、
カフェとか、ね。
自分は誰でもなくて、
誰かと話してもいいし、
誰とも話さなくてもいい。
そんな場所が、実在するみたいだよ。
そこには、
コーヒーがあって、料理やお酒もあって、
音楽や小説が、
無責任なとなりの誰かが、
寄り添ってくれる場所みたいだよ。
神と崇めるような人がいて、
その人が奇跡を見せてくれて、
誰も彼もが熱狂、心酔するような、
そんな場所ではないかもしれないけど。
誰でもないただの人がやっている、
わるくない場所。
今のそこに疲れたら、
こっちに帰ってきたらいいと思うよ。
2017/02/08 04:04 | Category:Essay, nicolas
「よけいなことはしないほうがいい」
「よけいなことは言わないほうがいい」
というような風潮です。
今の時代は、お店も、
インターネットへの告知が最優先だったりしているようです。
お店の宣伝だったり、お休みのお知らせだったり。
そんななかでも、nicolasは、
わりとネットをほっぽらかして、よけいなことをしていると思います。
お店の宣伝もろくすっぽしていませんし。
これからも、そうしていくつもりです。
ネットを見ている人が得をしない、というより、
いつもお店に来てくれているお客さんが得をした気持ちになれるような、
よけいなことをし続けていこうと思っています。
そもそもカフェなんてものは、
なくても誰も困らない、
よけいなものなんですから。
ていうことを、ネットに書くのもなんだかね。
2017/02/07 03:02 | Category:Essay, nicolas
最近、言葉が信用できない。
言葉の不完全さを補うのは声なんじゃないか、とか思っている。
だから、しゃべり始めると止まらなくなるくらいしゃべってしまう。
たくさんしゃべって、なにを言ったかあんまり覚えていない。
なんだ、声も信用ならないな。
今は、わからない言葉はネットでしらべればだいたい出てくる。
だからみんな、専門分野にとても詳しい。
素人だかプロだかわからないぐらい、とにかく詳しい。
会話のなかでも固有名詞や専門用語がふつうに飛び交う。
なんというか、同じ言語で話してるはずなのに、言葉が通じない。
どこまでもどこまでも細分化されたジャンルに分断されて、
となりの人と言葉が通じない。
人とコミュニケーションをとるのに向かない言葉ばかりが、
どんどん増えていっているような気がして、
言葉を知っているかどうかでふるいにかけて、
すごく小さなコミュニティをたくさんつくってしまっている。
言葉は、人を繋げるものだったはずなのに、
言葉は、人を分断するものになっている。
料理を作るときに、テーブルに食材を並べる。
すべての食材に物語がある。野菜も肉も、パスタやオリーブオイルも、
誰かが作っている。それが誰かに運ばれて、ここにある。
その、物語の重さに、ときどきぞっとする。重すぎる。
食材だけじゃなくて、まわりを見渡せば、
本、音楽、家具、身に着けているもの、そして人。
物語を内包したものたちが視界を埋め尽くしている。
すべてのものに、人に、物語はある。
物語は、人生を豊かにするものだったはずなのに、
物語があまりにも多すぎて、窒息しそう。
言葉と物語は、とても大事にされる。人生を一変させるようなものもある。
だから、それを知っている人たちは、それを使っていろいろなことをする。
いいことばかりではない。
言葉と物語を悪用する人もいる。
気をつけなければいけない。
誰が、いつ、誰に向けて言った言葉かで全然違う。
今の僕が、信用している言葉がある。
その言葉は、僕の身近にいる人が、酔っぱらって僕に言った言葉だ。声だ。
その人と僕の物語があったうえでの言葉だ。
ここにはその言葉は書かない。
なぜなら、その言葉は僕にしか作用しない言葉だからだ。
本当に大事な言葉と物語は、とても個人的な、普通のものだと思う。
2017/02/01 00:04 | Category:Essay, nicolas
2月のお休みのおしらせです。
7(火)
14(火)
15(水)
21(火)
28(火)
2/18(土)は
「わたしたちのライン 2017.2.18」
です。
お店は通常営業いたします。
よろしくお願いいたします。
2017/01/27 15:16 | Category:nicolas
わたしたちのライン 2017.2.18

日程:2017年2月18日(土)オープン12:30 スタート13:00 クローズ14:30
会場:nicolas(東京都世田谷区太子堂4-28-10 鈴木ビル2F)
演奏:山田俊二
ドローイング:横山雄
料理:nicolas
料金:3000円(nicolasのランチ&デザート&1ドリンク付き、横山雄の当日のドローイングを絵はがきにして後日プレゼント。)
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ご予約:下記メールアドレスに必要事項を明記しメールをお送りください。
ignition.gallery@gmail.com
件名「わたしたちのライン 2017.2.18」
1.お名前(ふりがな)
2.当日のご連絡先
3.ご予約人数
*ご予約申し込みメール受信後、数日以内に受付確認のメールをお送り致します。
*メール受信設定などでドメイン指定をされている方は、ご確認をお願い致します。
*当日無断キャンセルの方にはキャンセル料を頂戴しております。定員に達し次第、受付終了いたします。
–
プロフィール:
Yamada Shunji
独学で作曲をはじめる。以後、自主制作映画や短いドラマの音楽を担当。 2014年自作曲をまとめた「交わらない時間たち」を制作。
–
横山雄
イラストレーター/アートディレクター/グラフィックデザイナー。
第33回 ザ・チョイス年度賞入賞/第83回 毎日広告デザイン賞 最高賞受賞。
主に美術館関連商品・ファッションブランドの図柄や宣伝美術のデザイン、本の挿絵などを手がける。http://yokoyamaanata.com
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企画:熊谷充紘(ignition gallery)
2017/01/25 00:42 | Category:Music, nicolas
料理のプロフェッショナルであることをやめるつもりはない。
だけど、料理の専門家になってはいけない気がしている。
矛盾してるようだけど。
専門家、プロフェッショナルは、敬意を払われる。
素晴らしい、と憧れられる。
でも、専門家、プロフェッショナルだけが、
そんなに素晴らしいわけじゃない。
どこかの料理人が言う。
「最近の客は本物を知らない。ファストフードばっか食ってんだろね」
どこかの編集者が言う。
「芸能人が書いた本しか売れないよ。ちゃんとした小説は売れないね」
どこかの映画通が言う。
「みんな普段、アニメしか見てないんじゃない?いい映画いっぱいあるのに」
どこかの料理人は、芸能人の書いた本すら読んでないかもしれない。
どこかの編集者は、アニメすら見てないかもしれない。
どこかの映画通は、ファストフードばっか食ってんじゃないのかな。
なにかの専門家は、最も他のジャンルをないがしろにしている人、
になっちゃっているのかもしれない。
僕もそうだけど、みんな時間もお金もないし、
時間とお金がどんなにあっても、すべてを網羅するのは無理だ。
すべての人は、なにかをないがしろにしている。
自分が、なにかをないがしろにしている人だと知ることは大事だと思う。
もし、イタリア人の寿司職人アントニオ(仮名)がいたとして、
アントニオの握った寿司を食べたいと思う人はどのくらいいるんだろう。
きっと彼はプロフェッショナル、職人を目指し、
たくさんのことをないがしろにして、日々精進しているだろう。
それでも、彼の握った寿司を食べたいと思う人は少ない気がする。
彼にどんなに技術があっても。
でも、もしアントニオが、
「ボクは、オヅ・ヤスジロウの映画が好きです。
ラクゴも好きです。
それで、スシを勉強しています」
と言うやつだったら、僕は、彼の寿司を食べてみたい。
技術だけでなくて、江戸の粋みたいなものも、
きっと彼は愛しているだろうから。
もちろん、技術の鍛錬を怠らないという前提で、
文化そのものに興味をもっていることが、とても大切な気がする。
そんなイタリア人がいるのか知らないけど、逆の立場の日本人はいる。
たくさんいる。
僕はお店で料理を作っているけど、
いい料理だけを作りたいわけではなくて、いいお店を作りたいのだし、
そのお店の業態はカフェだ。
カフェにはBGMとしての音楽が鳴っているし、
コーヒーを飲むときに読まれる小説だってある。
(アアルトコーヒーの庄野さんが、そんな本を出してますね)
だからきっと、カフェのプロフェッショナルは、
なにかの専門家になっちゃいけないんだと思っています。
でも、最初の繰り返しになりますが、
料理のプロフェッショナルであることをやめるつもりはないし、
だけど、料理の専門家にならないようにしたいと思っています。
敬意は払われないかもしれないし、
素晴らしい、と憧れられないかもしれないけど。
2017/01/20 04:38 | Category:Essay, nicolas
徳島の14g(アアルトコーヒー庄野さんのお店です)で、
nicolasの焼き菓子の販売をしていただけることになりました。
https://ja-jp.facebook.com/14g.jp/
不定期での販売になるかと思いますが、
お近くの方、ぜひお買い求めください。
今回の焼き菓子は2種類。
■バニラ・キプフェル(クッキー)
バニラの香りのお砂糖をまぶした、
ホロホロした生地のクッキーです。
(キプフェルは三日月の意味です。)
■ショコラーデ
チョコレート・シナモン・ナッツ・木苺の
スパイシーな焼き菓子です。
よろしくお願いいたします。
2017/01/14 00:25 | Category:Food, nicolas
1月のお休みのおしらせです。
1(日)
2(月)
3(火)
4(水)
10(火)
17(火)
18(水)
22(日)
24(火)
29(日)
31(火)
1/22(日)は
「駆け込みアアニコ vol.1」
『「コーヒーと音楽」とお菓子な夕べ』
のため、通常営業はお休みをいただきます。
1/29(日)は
「柴崎友香×勝井祐二『ビリジアン』」のため、通常営業はお休みをいただきます。
申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
2016/12/29 12:44 | Category:nicolas
柴崎友香×勝井祐二『ビリジアン』
“黄色い日、白い日、赤い日。映画、ロック、火花、そして街。
10歳から19歳まで、誰かにいつか存在した、ある瞬間”
小説家・柴崎友香さんの短篇集『ビリジアン』の文庫化を記念して、
柴崎友香さんの朗読と、音楽家・勝井祐二さんのヴァイオリンのセッションをおこないます。
—-
日時:2017年1月29日(日)開場:18時 開演:18時30分
会場:nicolas(世田谷区太子堂4-28-10鈴木ビル2F)
料金:3900円(nicolasの前菜&パスタ&デザート&1ドリンク付き)
定員:18名さま
出演:柴崎友香(朗読)、勝井祐二(ヴァイオリン)
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柴崎友香さんは、勝井祐二さんが中心メンバーであるROVOの音楽を、小説『主題歌』で“ROVOは宇宙に行けるなぁ”と書き、そしてROVOが日比谷野外音楽堂で毎年開催している「MDTフェスティバル」通称“宇宙の日”の2008年5月5日の模様を、短篇小説『宇宙の日』として描いています。
小説を書いた人と小説に書かれた人が相見えるこの機会に、お二人による『宇宙の日』のセッションも予定しています。
10歳から19歳の日々を自在に往き来する『ビリジアン』の朗読と、勝井祐二さんのエレクトリック・ヴァイオリンとアコースティック・ヴァイオリンによる即興演奏のセッションによって、小説の世界観をダイレクトに体感して頂けたらと思います。
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ご予約:下記メールアドレスに必要事項を明記しメールをお送りください。
ignition.gallery@gmail.com
件名「柴崎友香×勝井祐二『ビリジアン』」
1.お名前(ふりがな)
2.当日のご連絡先
3.ご予約人数
* ご予約申し込みメール受信後、数日以内に受付確認のメールをお送り致します。
*メール受信設定などでドメイン指定をされている方は、ご確認をお願い致します。
*当日無断キャンセルの方にはキャンセル料を頂戴しております。
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プロフィール:
柴崎友香

小説家。2000年に初の単行本「きょうのできごと」を刊行(2003年に映画化)。
2007年「その街の今は」で織田作之助賞大賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、咲くやこの花賞、
2010年「寝ても覚めても」で野間文芸新人賞、2014年「春の庭」で芥川賞受賞。
小説「わたしがいなかった街で」「パノララ」「ビリジアン」エッセイ集「よう知らんけど日記」など著書多数。
–
勝井祐二(音楽家/ヴァイオリニスト)

ROVO . KOMA . TWIN TAIL . DRAMATICS . 勝井祐二 × U-zhaan . FISHMANS . などのバンドやユニットと、ソロや様々な音楽家との即興演奏で、エレクトリック・ヴァイオリンの表現の可能性を追求し続ける第一人者。
1996年、山本精一と「ROVO」結成。バンド編成のダンスミュージックで、90~00年代以降のオルタナティブ~野外フェスティバルのシーンを牽引した。
2016年、ROVO結成20周年をむかえ、記念アルバム「XI(eleven)」発表。
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企画:熊谷充紘(ignition gallery)
2016/12/29 12:29 | Category:Event, Music
新年は、1/5(木)からの営業となります。
2016/12/16 02:34 | Category:nicolas
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