明日からちょっと、旅に出てきます。
旅の準備において何よりも重要なのは、みなさんご存知のとおり「どの本を持っていくか」です。これを書いている今現在、スーツケースにはまだ何も入っていませんが、この1週間、どの本を持っていこうかずっと考えていました。
常連のお客さんの中には、プーケットのビーチで寺山修司と浅田次郎を読むという快挙を成し遂げた方がいらっしゃいました。むむ、負けられん、と思いました。
これを機に、昔読んで「あれって、どんなハナシだったっけ?」というような本を再読するということも考え、高橋源一郎の「さようなら、ギャングたち」をぱらぱらと読み返してみましたが、なんとまあ、美しい日本語なんでしょう。
杉浦昭嘉の「原発と拳銃」は、持っていこうと思っていたのに読んでしまいました。朝井リョウ「桐島、部活やめるってよ」も、映画を観た流れで読んでしまい、ちょっとどっぷりした気持ちになってみたりして、楽しい旅の前になんて気持ちになってしまっているんだ!いけないいけない。かといって、「冷静と情熱のあいだ」…なんて、さすがに読む気にもならないし。
そんな折、今日本屋さんで手に取った岸本佐知子の「ねにもつタイプ」。1話目の「ニグのこと」を読み、これだ、と確信。旅に必要なのはこういう本。
あとは、武田百合子の「犬が星見た ロシア旅行」を。いや、ロシアにいくわけではないんだけど。
行ってきます。
2012/08/15 21:33 | Category:Book, Essay
8/13(月)~8/21(火)
まで、
nicolas、夏季休業を頂きます。
宜しくお願い致します。
2012/08/02 00:49 | Category:nicolas
誠に勝手ながら、
7/23(月)は、
18:00~
の営業とさせていただきます。
申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
2012/07/22 01:10 | Category:nicolas
誠に勝手ながら、
7/4(水)は、
18:00~
の営業とさせていただきます。
申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
2012/07/03 13:29 | Category:nicolas
誠に勝手ながら、
6/24(日)は、
臨時休業とさせていただきます。
なお、
6/19(火)、6/20(水)は、
通常通り連休とさせていただきます。
申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
2012/06/19 02:34 | Category:nicolas
ウディ・アレン「ミッドナイト・イン・パリ」を観る。
ウディ・アレンは、やっぱり鉄板。そして、パリも鉄板。更に、ナイロン100℃「ノーアート・ノーライフ」を持ち出すまでもなく、パリのカフェやサロンにたむろする芸術家モノも、鉄板。
いつ頃から、「ノスタルジー」という言葉は、悪い意味で使われるようになったんだろう。ノスタルジーを賞賛する気は毛頭ないけど、卑下したり嘲笑したりするものではないと思っている。
芸術が、まだ芸術として機能していた頃では、カフェも、まだカフェとして機能していた。それが今や、文学論や映画論、芸術論を戦わせる場はネットになってしまった。それが悪いことだとは思わない。だってそのほうが断然、便利で効率的だから。ル・シネマで、「ミッドナイト・イン・パリ」の隣りの劇場で上映している「サニー 永遠の仲間たち」は、著名な方にツイートされてから集客が劇的に増えたということだし、そのツイートを見なければ、僕も間違いなく観ていなかった。本当に素晴らしいツールだと思う。だからこそ、それを踏まえた上で、不便で非効率なものへの愛着が一層湧いてしまう、アナログ世代のラストエイジな僕らは、懐古主義として笑われているのかもしれない。
それでも、ネットでやっているそれを、どうせやるならカフェでやって欲しい。酒場でやって欲しい。だって今でも、リアルなカフェの店内では、作家と編集者がお喋りしていたり、ミュージシャンがユーストを撮っていたり、舞台役者がシュークリームを食べたりしているんだから。
僕らの今生きている時代が、あと何十年か経ってから、「2012年、あの頃がやっぱり黄金世代だよな!」と憧れられるとき、今店内にいる彼らはヘミングウェイであり、ピカソであり、ゴーギャンであるのだから。
2012/06/06 00:00 | Category:Essay, Film
常連のお花屋さんが、今月のパフェー、抹茶とグレープフルーツのパフェーを食べたときに、
「あたし、これの花束つくれる!」
と、興奮気味に連呼していたのですが、なんとほんとにつくってきてくださいました。

食べたときに、インスピレーションが、ピピピと湧いたんだと思います。
nicolasは今まで、
「こういうイベントやるんで、こういうイメージでお菓子つくってきてください。」
と言われる側だったので、ウチのイメージで何かをつくっていただいたのは初めてな気がします。すごい、感激。すごい。いや、ほんとに。パフェの花束は、まさしく完璧な花束。
これからも、なにかをつくる仕事をしている方たちのインスピレーションを、ピピピとできたら嬉しいです。
ありがとうございました。
あ、今月のパフェー、まだの方はぜひ、ピピピしにきてください。
2012/05/24 04:12 | Category:Food, nicolas
アアルトコーヒーの庄野さんが、小さな本をつくられました。
http://aaltocoffee.com/news1.htm
本や音楽やコーヒーの小冊子。
実は、僕も少し、文章を書かせていただきました。
来週あたりから、nicolasでも販売する予定です。
840円です。 CD-R付きです。
よかったら、お手にとってみてください。
2012/05/12 04:02 | Category:Book, Drink
1周年ウィーク、たくさんのお客様にご来店いただきました。
本当にありがとうございました。
僕たちの1周年を祝ってくださるお客様が、こんなにたくさんいるなんて、
なんて幸せなことなんだろうと、しみじみ思います。
今後ともよろしくお願いします。
さて、おしらせです。
誠に勝手ながら、
4/30(月・祝)は、
1周年イベントのため通常営業はお休みさせていただきます。
5/1(火)は、
定休日のためお休みです。
翌週の、
5/8(火)、5/9(水)と、
連休をいただきます。
お休みばかりで申し訳ありません。
そしておしらせをもうひとつ、
5/10(木)より、
ランチセットの価格を
1000円→1200円に
値上げさせていただきます。
大変申し訳ありませんが、何卒宜しくお願い致します。
2012/04/30 04:46 | Category:nicolas
樋口毅宏「日本のセックス」「テロルのすべて」を読む。
5歳年上のこの作家さんと、僕は、同じ音楽を聴いて、同じ映画を観ている。それほどのタイムラグなく、同じものを通過している。そんな、小沢健二と園子温を愛する樋口毅宏作品が、僕の肌に合わないはずがない。「新刊が出たらすぐにでも読みたい作家」に、久しぶりに出会いました。僕もまた、愛すべき映画や小説や音楽からの、そしてお店や料理からの(愛のある)引用なしでは、自分の思っていることをうまく表現できない。だって、それらで僕は出来ているのだから。僕と樋口毅宏は、10%ぐらいは同じもので出来ているんじゃないかと錯覚するぐらい。樋口毅宏、素晴らしいです。
そんな、共感というか喜びの中で、やっぱり寂しさを感じてしまうのは、「音楽、文学、映画」はそれぞれリンクして相乗効果を生むのに、そこに、そこまで「食」が入っていけていないところ。「食」のほうがお高くとまって入っていかないのか、もしくはその逆で、低く見られて入れてもらえないのかはわからない。多分両方なんだろうけど。サニーデイと「アイデン&ティティ」と樋口毅宏は手を取り合うことができているのに、どうしてそこにいけないのだろう。
もちろん、池波正太郎作品のように、食を取り扱った作品はいくつもあるし、川上弘美の、作品への食の忍び込ませ方なんかはとても好き。やまだないとの「西荻夫婦」もいいし、伊藤理佐の「おいピータン!!」は本当に最高だ。ただ、上手に忍び込ませることができる人はやっぱり稀で、他の多くの作品のそれは、なんか「特別感」が出てしまっている。「どうです?こんな店、こんな食事、素敵でしょう?」みたいな、いやらしさが。そしてそもそも、固有名詞として入っていけていない。「サニーデイ・サービス」が固有名詞で登場するのなら、カフェだってバーだって固有名詞で登場したっていい。藤谷治さんの作品には見られるが、あれは「下北沢」という特殊な文化圏においてのことで。「ドゥ・マゴ」や「エル・ブジ」のような高尚なものではなくて、多くの人の(あるいは一部の人の)日常に根付いたものが、そこに参加できると嬉しい。好きなカフェが、好きな小説にでも出てきた日には狂喜乱舞する。
正直に言えば、いくつかはある。「あの映画の撮影したの、あの店だよ」というお店もいくつか知っている。それがおおっぴらになることを店側がよしとしないのは、ミーハーになってしまって、食そのものを見てもらえなくなるというリスクが常につきまとうからだということもわかっている。熱狂的なファンを持つバンドのPVを撮影したために、連日無礼なファンが押しかけてきてしまう店もある。
それでも、この映画が好きでこの作家が好きでこの音楽が好きだったら、絶対この店気に入るよ!っていうのが、増えるといいなと思う。高田渡と吉祥寺のいせやのような関係の店が。川上弘美好きが好きな店、曽我部恵一好きが好きな店、ウディ・アレン好きが好きな店。
園子温と樋口毅宏好きが好きな店、ってのは、ちょっといかがなものか、とも思いますが。
2012/04/25 05:31 | Category:Book, Essay
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